【フィラーレ通信】たかが冠詞、されど冠詞
Filare通信 2019年7月1日号
■冠詞っていつまでたっても…
7月になりました。
今年も半年終わった=あと半年(しかない)…
さて、今日は冠詞の話です。
日本語にはない冠詞、いつまでたってもaなのか、theなのか、はたまた冠詞なしか
わからないというお声はよく聞きます。
弊社が導入しているシャドーイングメソッドの前段階で音変化の練習をしますが、
その内、弱化(Weakening):機能語が弱く曖昧に発音される現象、というのがあります。
機能語とは、代名詞、前置詞、冠詞のことで、ネイティブも冠詞は弱く発音してくるので
余計にわかりにくくなっているかもしれません。
■以下の意味の違いがわかりますか?
A) She left the office.
B) She left office.
C) Do you have the time ?
D) Do you have time ?
E) He goes to the church.
F) He goes to church.
まずA)B)ですが、
A)は、彼女はオフィスを出たところです。(theがある)
B)は、彼女は退職した。(theがない)
仲間に間違えて伝えて、混乱なんてことがあります。
次に、C)D)ですが、
C)は、今何時ですか? (theがある)
D)は、ちょっと時間ある?(theがない)
街で女性に声をかけて、時間を聞いただけのつもりが、ナンパになってしまった
なんて笑い話も…
そして、E)F)ですが、
E)は、彼女は教会に行きます。(theがある)
F)も、彼女は教会に行きます。(theがない)
意味的には同じですが、E)は、教会という場所に行く、
F)は、教会にお祈りに行く、ということになります。
■the(定冠詞)、結構奥深い
私は学生時代、以下の2文中のtheが、なぜtheなのかよくわかりませんでした。
たとえば、空港で
Excuse me, where is the restroom ?
道で、
Please tell me the way to the station.
そのトイレ、その駅、はじめての場所なのに何故theなの???
また実際このように話されている方でも、なぜtheなのですか?と聞かれると
よくわからないということはあります。
実は、このtheは、the nearest restroom/station
の意味合いがあり、
行きたいトイレは一番近いトイレであり、一番近い駅であることが
常識的で暗黙の了解があるからです。
a restroomなどとすると、任意の(どこでもいい)1つの駅となってしまいます。
遠いトイレ、遠い駅は、互いに想定していません。
なかなか面白いですよね。
たかが冠詞、されど冠詞
ご自分がいつも何気なく触れている英語、喋っている英語
も何故???という目でみていくと楽しくなってきますね。