【フィラーレ通信】TOEIC(R)900 点者の苦悩 

Filare通信 2022年5月31日号

■上級者も悩んでいる

5月も最終日となりましたが、英語学習は進んでいらっしゃいますか?

それぞれのお立場で、又それぞれのレベルで、

英語学習を見直しながら頑張っていらっしゃると思います。

今日は、TOEIC(R)900点(以上)に代表されるような上級者でも、

というか上級者ほど、もがきながら頑張っているというお話です。

世間的には、900点もあれば問題ないでしょ!と言われますが、実はそうでもなく

高い点数と実際の現場で求められる英語力の乖離に苦悩していることも多いのです。

実は弊社は、こういった方々の比率が高い現実があります。

■何に悩んでいるのか?

社会人になってTOEIC(R)900点以上を取れる方は、

おそらく学生時代も頑張り屋で受験の難関をくぐり抜け高学歴、

いわゆる一流企業勤務だったり、経営者になる方もいて、人も羨むようなバックグラウンドです。

努力家であることはいわずもがなです。

でも、その知識と英語運用力の差があり、知識の部分が高ければ高いほど、

こんな簡単なネイティブの子供が喋るような英会話もできないなんて…となるのです。

悩みのポイントを大きく3つほどに纏めてみました。

(1)自分がもっている知識ほど、英語運用能力(話す・聴く)がない

(2)英語の正しい発音を知らない

(3)瞬発力・咄嗟の対応力がない

他にもあると思いますが、大別するとこんな感じです。

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■もう少し詳細を言うと
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(1)自分がもっている知識ほど、英語運用能力(話す・聴く)がない

帰国子女や海外在住の経験がなければ、こういった悩みは普通にあることです。

あの人は、ペラペラと英語を使いこなしている、羨ましい、といっても

話している内容は、中身のないものだったりします。(案外適当な英語の場合も)

この種の悩みを持つ人は、英語を話したり聴いたりする訓練ができてないだけです。

だからといって、英会話スクールに行って限られた会話をものにしても、狭い範囲のこと。

ちっともうまくなりません。

(自己紹介だけは上手いという人が多いという笑えない現実有!)

自分でもできる、大量に英語を話したり聴いたりする訓練法を弊社ではご提案しています。
(ご興味のある方は、巻末をご覧ください)

昭和女子大学の理事長・総長のある坂東眞理子氏が、AERA dot.の記事で以下のようにおっしゃっていました。

<…たとえば街のレストランで働く人の英語は聞き取りにくく、こちらの注文が通らないこともありました。

すべての分野をすべての人と話せるようになるのは難しいので、まずは自分の専門分野で深い話ができる英語力をつけることを目標にしました。>

坂東先生でもこうなのです。

英語上達に、目標がある人、専門の現場をもっている人、自信をもってください。

中身のない英語をペラペラと喋る風になることが最終地点ではないはずです。

(2)英語の正しい発音を知らない

今春、ある会社のTOPの方をお教えする機会がありました。

TOEICでいえば950点くらい、実際の現場でもバンバン英語を話され、何ら問題がないように思いましたが

シャドーイング学習法に興味があるので、その手法で教えてほしいと来られました。

そして、留学や海外勤務も多いご経験でしたが、驚くことに正しい英語音や音の法則を学んだことがないと。

たしかに、英文科でもない限り、英語音を専門的に学ぶことはないかもしれません。

シャドーイング学習法の前提となる音法(音の変化の法則)は、避けては通れません。

単発の英語音に加え、リンキングなどの音の法則をしらないために、また訓練していないために

英語そのものは合っていても、あまり魅力的な英語とはいえないという残念な方もいらっしゃいます。

一度、このあたりは腰を据えて取り組むべきで、その後はとても綺麗な英語ですね、

と賛辞をうけること請け合いです。

(3)瞬発力・咄嗟の対応力がない

これもよくあるお悩みです。

相手から何かを聴かれて、とりあえず何か返答する、というのが苦手な方が多いです。

読むことは慣れていても、会話が苦手ということは多々あり、

こちら側が会話の主導権をとって質問などしてみるわけですが、帰ってきた返答に対する返答が

さっと出てこない。

あるあるですよね。

独自の創造的な英語を話せるようになるまでには時間がかかるわけで、

最初はパターン化された英語をとにかく練習する必要があります。

あまり考えすぎず、即答できるワザ磨き。

あと、プレゼンテーションはバッチリ上手くいっても、質問コーナーになると

帰りたくなる!、これもあるある。

ある程度、これも準備が必要で、想定問答のワザ磨きが必要です。