【フィラーレ通信】今年は純粋に英語の音に向き合ってみませんか?
Filare通信 2022年1月7日号
■辻井伸行さんのドキュメンタリー
新しい年を迎えました。
お正月休みに、辻井伸行さんのドキュメンタリー、少し古いものになるかと
思いますが、子供の頃からの彼と愛情深きご家族、先生などと歩みの物語をYou tubeでみました。
「世界の辻井伸行」というタイトルだったと思います。
最大の不思議は、音符(楽譜)をみれない辻井さんが、どうやってピアノを弾くことが
できるのかということでした。
川上先生(彼の幼少時から12年間のピアノの先生)が弾く楽曲の録音テープを聴いて音を覚え、
それを右手、左手に分けて別々に細かく練習するという方法。
音符が読めないので、記号は言葉(会話)で解説を加えるのだそうです。
類まれな辻井さんの聴音力は驚くべきものですが、
基礎的な音階や指使いを徹底的に練習させ、自分で考えさせたというのですから、
天才プラス先生と共に努力の日々だったことが想像できます。
■英語学習も音から
音楽と英語学習、違うものですが似ているところもあります。
音符を英文文字に、楽曲をネイティブの音声に置き換えて考えてみました。
辻井さんは天才だから…まあその通りですが…
彼の努力は並大抵のものではありません。
彼は盲目だから音符は読めない、でもその分、ある意味純粋に音に直結して音をとらえ奏でることができる。
英語なら、文字を読まずに、最初にネイティブの音に集中する。
五体満足な多くの人は、色々とやれるがゆえに散漫になり、何が大切かを見失う。
英語に伸び悩みを感じる人は、一度英語の音声だけ聴いて、どこまで聴こえるか書いてみられるとよいと
思います。(その後に文字を確認する)
案外文字だけで英語を理解していて、英語音としっかり向き合っていなかった自分に気づくでしょう。
11歳の辻井さんの言葉、賞を取り始めたころ…
”結果よりも、人をうっとりさせる演奏がしたい!”
感性が豊かで人の心をうつのは、こういった言動からもわかります。
音に真摯に向き合う姿には感動を覚えます。
そして、いつも周りに感謝し、自己肯定感を持ちながら前進する姿は、
今の彼を形づくっているのだと確信しました。